十三日間
十三日目 「僕」
「ぅああああっっっ!」

僕の声に、最初に兄さんが、次に母さんが部屋に飛び込んできた。

「伶!」
「伶ちゃん!」

二人同時に叫ぶ。
僕は、ベットの中で、涙を流したまま叫んでいた。

「大丈夫、大丈夫だ、伶! ただの夢だから!」

兄さんがそう言って、僕を抱き締める。

「違うよ、ただの夢じゃないんだっ!」
僕は、そう言うのが精一杯だった。

泣きじゃくりながら、僕は、
「ただの夢じゃないんだっ…」
と、それだけを繰り返し呟いていた。

とうとう、明日、だ。

明日、というか、今夜の夢。

僕の死刑が行われるんだ‥!



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