十三日間
僕が落ち着くと、家族全員が、また僕を横にならせようとした。
でも、僕は、もう昨日みたいのはイヤだった。

ちゃんと生きてることを実感したかった。

恐怖の夢に勝ったんだ!

これから、夢に怯える事なんて何もない。

僕は、一人になるとすぐに、携帯を取り出して、電話をかけた。

みくるちゃんに。

「突然でごめん、今日…逢えないかな?」

僕の突然の電話と、誘いに、電話の向こうのみくるちゃんがとまどっているのがよく判る。
「もう、具合は大丈夫なの…?」
心配そうな口調だ。

「うん、大丈夫。みくるちゃんに逢った方が良くなるくらいだよ」

……い、いつからこんなセリフを言えるようになったんだ、僕!

「午前中は部活に行くから、お昼から、逢えないかな……?」
「いいよ、あたし部活終わるの待ってる。校門のとこで待ち合わせ、しよ?」

それって、僕の部活見に来るって事かな?
嬉しいような恥ずかしいような…。
って、やっぱ嬉しいかな!

お昼前、部活が終わる時間あたりに逢うことにして、僕は携帯を切った。


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