十三日間
学校に行っても、何だか気になる…というか、気分がすぐれない。

だがしかぁし!
朝から憂鬱な顔をしていたせいで、いいこともあったりしたんだ。

それは、昼休みのこと。
友達と一緒に昼飯を食べようとして、飲み物を買いに購買に向かおうとしてたら、ぼくの気になる女の子…大木みくるが声をかけてきてくれたんだ。

「水瀬くん、み・な・せ・くん!」

最初ぼけっとしていた僕は、大木みくるが声をかけてきたのに気づかないくらいだった。

く…っ、一生の不覚!

でも、大木みくるは、その様子が余計に変だったのか、心配そうな様子になる。
「水瀬くん、なんか、大丈夫…?」
「え??」
「朝から、具合悪そうだけど…保健室とか行かなくても大丈夫?」

ぅわ~、朝から僕の様子を見ててくれたのか~っ。
どうしよう、嬉しいじゃないですかっ!

小躍りしたいのをぐっと我慢して、ニヒルな顔を作ってみる。
って、僕の顔じゃムリなんだけどね。

どっちかっていうと可愛い系(自分で言うなって?)の顔立ちで、あまり背も高くないから、女子からは「カワイイー」って言われる存在。
僕はハードボイルド系にあこがれてるんだけどなぁ。

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