十三日間
六日目 「僕」
「ぅううぅう………っっっ」

……あぁ、もうイヤだ!
まだうなり声を上げ続けながら、僕は泣いていた。
枕をしっかり抱きしめる。
まだ、かすかにラベンダーの香りがした。

叫び声をあげてはいなかった。
でも、ひどく辛い、重苦しい感情が渦巻いている。
心の奥底から、声が出てしまった感じだった。

昨日までと、違う感情。

僕はかなり脱力して、ベッドから起きあがるのにかなり時間がかかった。
のろのろと起き出し、昨日用意した服を見る。
昨日の夜、あんなに楽しみだったのに。

僕は、秀悟には悪いけど、少し遅刻して行こうかとまで考えた。

秀、悟?

なんだろう、秀悟の事を考えると、夢の中身を思い出せそうな気がする。
でも、それはあまりいい気分じゃない。

思い出したくない。
思い出さない方がいい。

僕は頭を思いっきり振ると、着替えをつかんでシャワーを浴びにいった。

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