囚われジョーカー【完】



「う、そ…」

「嘘じゃないから。」

「じゃあ、アサノさんは…?」

「…その事なんだけど、な…。」



難しそうな顔で少し首を傾げて見せる三浦さん。どうやら、アサノさんについて何かあるらしい。


どうしたんですか?と尋ねた私を三浦さんは視線だけで見下ろし口角をゆるく引き上げる。




「まだ、お前に全部話すことは出来ないんだけどさ。安心して大丈夫だから。」

「…(安心って、何に安心すれば?)」



微細に眉を寄せたのが見えたらしく、視線が絡まっている端正な顔も眉を寄せた。


言葉もなしに、外の繋がりだけなら前と同じじゃないか。もう、三浦さんを思い「悲哀」を感じて泣くなんて嫌。




「まあ、菫は待ってればいいから。」

「……。」

「ハッキリさせたら、甘い言葉でも何でも。いくらでも言ってやるよ。」

「っ、」



――――だから、待ってて。




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