。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

-君とあたし-

「奏歌~、秋山クンとどういう関係?」

「どういうって…普通に、日直が同じで、家

の方向が同じだったから、一緒に帰っただけ

だし…」

一緒に帰った時、言ってた。

夏喜クンと梨那は一緒に帰るから、あたしが

ふたりに気を遣って、ひとりで帰るんじゃな

いのって。

あたしがひとりで帰るのは、危ないから、送

らせてって。

だから、変な関係じゃない。

しかも、その日に初めて話したし。

「そうなの?新しい、奏歌の好きな人だと思

ったのにさ~」

「そんな簡単にっていうか…出会って浅いの

に、好きになれないよ」

「そうだね~。まぁ、あたしは夏喜と付き合

っちゃってるけど」

「でも、夏喜クンは、部活も一緒だし…あた

しは、この前初めて話したから…」

「まぁ、あたしはあたし、奏歌は奏歌ってこ

とだよね~!!」

「うん。あたしも、恋したいなぁ」

「だから、秋山クンで…」

「そういう問題じゃないんだって~。自然に

好きになりたいの。それに、秋山クンは友達

だよ」

「ははっ。そっか」

あたしは、本当に秋山クンを友達としか思っ

てないから。

だから、ただ普通に秋山クンと接する。






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