。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
「尚斗クン」

「奏歌ちゃん。お昼、食べようか」

「うん」

「カナ、学食行こ!」

「腹へった。行くで、カナ」

「行こっか、奏歌ちゃん」

みんなから、声がかかって、学食に行く。

最近では、いつもあたしの隣には、尚斗クン

が座っていて。

もう反対側の隣には、マツが座る。

このふたりが隣にいることが、すごく安心だ

った。

なのに…奏が、隣に座っていると、ドキドキ

とする。

安心じゃないけど…嫌じゃない気もして。

…奏が、嫌いになれない。

尚斗クンも好きになってきたけど…

何かが違う。

気づいたらいけないかもだけど…

あたし、尚斗クンに恋してない。

友達として…すごく好きだけど、彼氏として

は見えなくて。

好きだけど、好きじゃない。

恋じゃないの。

恋じゃなくて、友情なの。

あたしは今、恋してない。






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