。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

番外編 あたし、本当は女です

「あ~、緊張するよ!!」

あたしはさっき…金龍と呼ばれる、楢崎龍と

付き合うことが決まった。

「無理だよっ!龍…」

「…いいから。行くぞ」

龍月御殿に向かう、あたしと龍。

なぜか、幹部のみんなも呼び出されたみたい

で、みんな集合しているらしい。

「龍さん、こんちは!!」

みんなが、挨拶をしてくる。

「龍さん、彼女っすか!?」

「……あぁ」

「ヤバッ!!めっちゃ美人やん!!」

「可愛すぎる。さすが、龍さん」

龍月のバカが、騒いでる。

「…もう、ほんと嫌」

「…可愛いのは、本当だから」

「言わなくていいよ、そういうの…」

「…みんな、いるか?」

あっと言う間に、幹部の部屋。

怜さん、空、海がいる。

「…龍さん、誰ですか、その女」

髪型一緒なんだから、誰か気づくよね?

顔だって、ナチュラルメイクしかしてないん

だけど。

確かに…服装は、完全に女だけどさ。

龍は、すぐに気がついたし。

「その女、宇宙からの侵略者ですか!?」

あぁ、空。

初めて本気で、君がおかしいと思ったよ。

自分からおかしいって、言ってたね。

「…違う。俺の女だ」

「龍さん、騙されてるんですか!?」

「…あたし、空にはがっかりだぁ」

「龍さんの女なのか~。可愛いから、今から

口説こうと思ってたのにさ~」

「…俺の女だ。手出すな」

龍の言葉、嬉しいけど…

今は、海の女たらしにショックだ。

「龍が女つくるなんてな~。可愛いけど、俺

見覚えあるぜ?」

そうです、怜さん。

私たち、めちゃくちゃ会ってましたよ?

「あ~、思い違いだったかも。誰?どこの子

なの?俺の資料の中には、こんなに可愛い女

の子の情報はないけど~。まっ、俺のは、不

良の資料だけどね~」

………覚えてないんかい!!

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