。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

ここは、あたしがオーディションの時に作っ

たセリフだった。

「…わかった。ありがとう」

そう言って、梨華を離す。

ロスタイム、同点のまま。

そして、PK戦。

PK戦の最後、蹴るのは剣人。

そして、PK戦も同点。

剣人のキックがゴールするか、しないかで優

勝校が決まるっ……

「剣人、頑張って!!」

梨華は無意識に、剣人を応援する。

「やった!!剣人、勝ったよ!!」

剣人のゴールは、きれいに決まり、N校の優

勝が決まった。

剣人は、ゴールが決まった瞬間、梨華のもと

に走っていき、梨華を抱き締める。

「おいおい。チームメイトより先に、女のと

こに行くのかよ」

って、先輩に笑われてた。

試合や、インタビューが終わって、学校に一

度戻ってきた。

「梨華、話…いいか?」

「剣人、優勝おめでとう」

二人っきりになってすぐ、梨華はそう切り出

した。

「試合も終わって、もう邪魔をするものはな

いよな?梨華、俺はお前が好きだ。全国大会

が終わるまで、俺を支え続けるって梨華は言

ったけどさ…全国大会までじゃなくって、ず

っと俺を支えてほしい。ずっと、一緒にいて

ほしい」

さっきしようとしてくれた、剣人の告白を受

けた、梨華。

晴に誓った、素直になること。

「さっきは言うの邪魔してごめんね。あたし

も剣人が…好きだよ」

そうして、あたしと光輝クンが演じる、二人

は結ばれる。

そして…

にこっと笑った、梨華と剣人。

そして二人は、キスをする―…




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