。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
「夕暮!!」

「あっ…はいっ」

光輝クンからあたしに、声をかけることは珍

しいことだから、すごくびっくりした。

「明日、10時に駅前のファミレスに来い。い

いな?」

「えっ…うん。いいけど…」

「絶対来いよ。じゃないと、次の日どうなる

か、わかってるよな?じゃあ、俺は帰る」

そう言うだけ言って、光輝クンは帰ってしま

った。

「坂下クン、なんで光輝クンが帰ったか、知

ってる?あたし、知らないんだけど…」

あたしが知らないってことは、映画の仕事で

はないことで。

けど、光輝クンが授業をさぼって帰るなんて

ことは、もっとあり得なくて。

「光輝?光輝は…なんか、誰かに会うらしい

けど…」

誰に会うんだろ…

…気になる。



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