。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
「奈央」

「あっ、彩希」

「最近は、奈央が学校休んでることばっかで

寂しいよ~」

「彩希…でも、彩希のまわりにはたくさん男

子がいるでしょ?」

「それもないよ~。その男子、あたし目的じ

ゃないからね~」

「あっ、坂下クンは?」

「俺になんか用かよ?」

「あっ、坂下クン」

「坂下は、奈央がいないとこないよ~。だっ

て坂下は奈央が…」

「川崎っ」

「あっ、ごめんね」

「お前、わざとだろ」

「あっ、バレました?」

「てめぇ…」

なんの話だろ?

「ふざけんなよ」

「あっ、坂下クン。喧嘩…しないで?」

「…わかったよ」

へっと、そっぽを向いた坂下クン。

「奈央、ナイス!」

「えっ?」

「夕暮、気にすんな。お、光輝。はよっ」

「あぁ、舜。はよ」

「お前、次の仕事いつ?」

二人は仲良さそうに、歩いていった。

坂下クンの輝いた笑顔は、すごくカッコ良か

った。

けど、隣にいる光輝クンの方が…

やっぱりあたしには、輝いて見えた。

あたし…

やっぱり、光輝クンが好き。

好き―…




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