接吻ーkissー
あまく危険な香り-blind love-
当日を迎えた。

私は待ち合わせているいつものバーにきていた。

「おう、きたか」

竜之さんが私を迎えてくれた。

「お待たせしました。

ワンピース、ありがとうございます」

忘れないうちに、竜之さんにお礼を言った。

「よく似合ってると思うと、選んだかいがあるな」

そう言った後、竜之さんが笑った。

「そのスカーフもよく似合ってるぞ。

ワンピースとあわせたんだな」

そう言った竜之さんに、
「――はい…」

呟くように返事をした後、首を縦に振ってうなずいた。

首筋の歯型を隠している黒いスカーフは、昨日の学校帰りに駅前のデパートに寄って買ってきたものだ。
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