あやとり
それでもここの場所に来るまで四日経ってしまった。
大晦日の今日、なんとか出来なければ、新しい年に持ち越してしまうから、私は重い腰を上げてここまで来た。
あの事件の日以来、優ちゃんとは言葉を交わしていない。
最後に見た彼女の表情が蘇ってきて、今更どう言い訳したり、修復したり出来るのか、予想できなかった。
優ちゃんはいつも私に優しかった。
病弱で歳の離れた妹のわがままを受け止めてくれていた。
優ちゃんがもし、優れた容姿や頭脳の持ち主でなく、私と変わらない凡人であったなら、私はもっと素直に彼女を姉として慕うことが出来たかもしれない。
あるいは病弱なのが姉のほうだったら、もっと優しい気持ちを持つことが出来たかもしれない。
でも、全ての得は彼女に、そして負は私に与えられたと思ってしまった時から、私は彼女を素直に愛せなかった。
そして自分が生み出してしまった嫌な自分で、私自身がいちばん痛い目を見る羽目になってしまった気がする。