あやとり

午後二時の五分前に教室の前に行くと、我がクラスの『占いの館』は大盛況で、受付の机の前には列が出来ていた。

村井和也は既に受付の机の脇に立っている。

その横には甲斐君の姿も見えた。

私がそこへ辿り着いたとき、甲斐君はちらっと私を見たがそのまま村井君と話をしていた。

「じゃあ、一時間後に」

私のことが目に入っていないかのように、甲斐君はそのまま、その場を立ち去っていった。


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