今宵は天使と輪舞曲を。
明日はこの件について説明を迫られるだろうが今は彼女と愛し合うのが先だ。
「愛している」
ラファエルは塞いでいた唇を解放し、そっと告げるとメレディスの息は乱れた。
「も、意地悪……」
乱れた呼吸を整えながら、抗議する姿も刺激的だ。
「そんな顔をしても無駄だよ、君の中が良すぎるから悪い」
メレディスはキャロラインが遠ざかると、挑むようにしてラファエルを見上げている。何やら抗議したいらしいが、今は難しいようだ。
快楽に染まった目とほんのりと朱に染まった頬をした彼女をもっと味わいたい。
涙を浮かべながらも眉間に皺を寄せる姿が可愛らしい。
「むしろぼくを骨抜きにしているのは君の方だ」
言うが早いか、これが最後だとラファエルが最奥へと貫けば、彼女はすぐに果て、強い締めつけにラファエルも続く。
上気する頬も、焦点の合わない潤んだグレーの目も美しい。
「おやすみ」
メレディスの身形を整え終えたラファエルは寝息を立てて眠っている彼女の額に唇を落とした。
彼女は二階で自分は三階の客間にいる。ひとつ屋根の下でたった数メートルの距離しか離れていないのに、こんなにも離れがたいと思ったのは彼女が最初で最後だ。
ラファエルはどうにかメレディスから体を離すと、ベッドの下にある用意された水と桶、それから体を拭くための布を取り出し、彼女の体を清めた。
ラファエルは後ろ髪を引かれる思いでバルコニーから外壁を伝って外に出た。
――少し夜風に当たる必要がある。
頭を冷やそう。