風の音色
「ったく、いつまで走ればいいんだよ!?」

走りながら、陸斗が言う

「このまま、向こうの体力が無くなるまで走り続けても良いけど…」

チラッと後ろを確認しながら、海斗が言う
相変わらずパンパンッと銃を撃ちながら追いかけてくる大勢の人
その人達も、流石に疲れたのかペースが落ちてきている
一方、2人は運動能力を強化してもらっているため、疲れは感じられない

「落ち着いて考えたり、状況把握したいし…」

海斗はそう言うと、紙に「壁」という文字を書く
しばらく走ると、T字路が見えてきた

「陸斗、右に曲がるよ!」
「分かった!」

2人は右に曲がる
海斗は曲がり終えた後、すぐに後方に紙を投げる
そこには、初めからそこに壁があったように、違和感無く壁が出来ていた

「よし…とりあえず、これで追手はこっちにはこれないだろう」

海斗が壁を作って少ししてから、ザワザワと騒がしい声が聞こえてきた

「呪われし者は何処へ言った!?」
「こちらは壁…」
「こっちに曲がったように見えたんだが…」
「奴らの仕業だ」
「罠だ!」
「逆だ!向こうに行ったんだ!」

その声を合図に、大勢の人が移動する気配が感じられる

「…行ったか?」
「行ったんじゃない?」
「はぁ~~」

大きなため息をついて、陸斗がしゃがみ込む
その横で、海斗はせっせと何かを書いている

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