半分の心臓
いつもの日常
朝目覚める頃からはじまるがなり声。

要求どおりさっさと、
布団から起き上がりたいが
眠い。

とにかく眠い。
 
目覚めのコールのはずが
なぜか死の宣告のようにも聞こえ、ゆっくりと眠りに落ちる。

このときの睡眠は
なんと心地のいいものだろうか。
 
深く深く奈落の底へと
意識を奪われそうになる中、
急に布団を剥ぎ取られた体はかすかな温もりを求め、
くるくると包まる。
 
そんな小さな反抗も虚しく

「んん~~~」

などと、声にならない悲鳴を上げ
まだ眠りが恋しいと嘆き続けるも
足元から来る悪寒には連戦連敗。
 
体の振るえ、
暖の恋しさから強制的に目が開き
目の前に広がるは、
なぜか忙しいいつもの朝に
キレタ母親。
 
一日のはじまりから
不機嫌な母親を相手にするのは
面倒だ。

高校生にもなれば
自分のペースで生きて生きたい。

まったりゆったりしたい!

朝の貴重な5分は
あなたのペースには合わせていられない。
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