半分の心臓
父は休みになると無駄に早起きし、
弟ふみきにいたっては関係なく眠れる。
 
迷惑だと訴えている人間は自分しかいない。
 
多数決の原理により

これが本当に迷惑だと思っている人間は自分しかいなく2-1で敗案。

眠り続けている残りの一票は投票漏れだ。
 

反論したのに簡単に覆ってしまう浅い考え。
 
多分、王政国家では何をしても人民の意見なんてものは運悪く通らないのだろう。
 
そうこう言っている間に掃除が終わってしまった。
スイッチを切り掃除機を手に持ち出す。
 

「あき、カバンって買った?」
 

いきなり何を言い出すんだこの人は。
 

「何のカバン?」
 

「学校に行くときのやつ」
 

もう学校が始まっているにもかかわらず、こんなこと言われても。
 

「そこにあるでしょ?中学のときのバックをそのまま使っているから大丈夫。」
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