-astral-星に捧ぐ少女


「エイゼ様…エイゼ様は全てご存知なんですね…」


神瞳のアストラル…
神の瞳の前に隠し事なんて出来るはずが無い。


「…フィリアさん…君は本当に過酷な運命を歩むさだめに在る。私はいつも君の未来を夢に見るよ……」


そう言ったエイゼ様は酷く悲しげに私を見つめる。


エイゼ様の見た私の未来…一体何だったのでしょうか…


「…私の未来は……
一体どんな未来だったのですか…?」


聞くのが恐いです…
でも……
知らないのも恐いです…


「…未来は…起こりうる可能性の一つに過ぎないんだ。でも…知っていれば変わる可能性もある」


エイゼ様は私の手を優しく握りしめた。


「エイゼ様……」

「君には知る権利がある。そして変えよう…過酷な運命を……」


エイゼ様は私の目を片手で覆った。



「…神瞳のアストラル…」


―キィィィン…


耳鳴りと同時に視界や五感全てが失われた。








< 88 / 357 >

この作品をシェア

pagetop