残存リズム

放課後またあの駅に向かう私。

学校からなら、家に帰るまでの通過駅なんだけど、私はわざわざ途中下車。

改札を出て、入口からこっそり外を覗く。


居た。


バスターミナルより少し右の、昨日と同じ場所。

私はいかにもまた来たって感じになるのが嫌で、わざと気付いてないふりをして、ケータイを無駄にいじりながら通過した。


「あ!凜!?」

「え?あ、紫音くん!」


私は今気付いた!とばかりに驚いて見せた。


「今日は制服なんだね。」

「学校帰りだからね。」

「制服可愛ーじゃん!」


取り留めのない会話。

普通に喋っている時の紫音くんは、ノリがよくて、お笑い系。

歌ってる時とのギャップが凄い。
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