残存リズム

歌が終わる。

周りには何人かの観客が集まっていた。

こんなに素敵な声なんだから、当然だね。


「いいね。私、これ好き。」


そう言うと紫音くんはパッと顔を輝かせた。


「マジ!? 嬉しいよ!! 俺も気に入ってる曲だからさ!」


そっか、オリジナルなんだよね、確か。

凄いなぁ。


けど、これがもし誰かのために作られた曲だとしたら、なんか嫌だな。


その誰かが、紫音くんの大事な人だったりしたら。

なんか嫌だ。
< 16 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop