俺はホモじゃねぇ
そうそう。

その一回だけで…その一回が相当怖かったんだ。

図太い神経の持ち主のハルちゃんでさえ、3日間胃が痛いと言ってお粥を食べてた位。



父さん
「元晴!!」



2度目、父さんに呼ばれてようやく視線を向けた。



俺の顔を見るなり、父さんの眉尻が下がった。



「…父さん…。」



ゆっくりと近づいてくる父さんにちょっぴりビビる。



まさか…殴られる?!



ベッドの横に膝をついた父さんは、ゆっくりと俺の頬にてを伸ばした。



父さん
「喧嘩でもしたのか?…ちょっと唇が切れてる。」



母さんもハルちゃんも気付かなかった、些細な変化をすぐに見抜いた。

ウルウルと涙が込み上げてくる。



父さん
「支度しろ。すぐに送って行く。」



あれ?!
この流れは…強制送還?!



母さん
「なにも今じゃなくたって。」


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