俺はホモじゃねぇ
母さん
「パパ!!夜遅いんだから!!」



母さんの的確なアドバイス後、ゆっくりとドアが開いた。

これから、怒った父の雷が落ちる。



静寂の中…ゴクリと喉を鳴らす…



「ハルちゃん…それ俺がやる事。」



突っ込まずにいられなかった。

これから怒られる俺が喉を鳴らすはずが、ハルちゃんが緊張のあまり唾を飲み込んだのだ。



俺のツッコミなんて聞いていないハルちゃんの視線はドアの所に立つ人…父さんに向けられているのだろう。



俺は怖くて見る事ができず、ハルちゃんを見上げる。



中1の子供からして見れば、父親ってめっちゃ怖い。

特に、怒らない父親ほど。



父さん
「…元晴。」



いつもより低い声のような気がする。

怖くて俯いた。


うちの親はほとんど怒らない。
早々怒られるような事をしないが、

『男はその位の元気がないと!』

そう言って、怒る母さんを宥めるのが父さんだったから。


が、一度だけ。


ハルちゃんと大喧嘩した日に父さんに2人で怒られた。


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