初昼の儀式
 その怖さは年を経るごとに増してゆくし、16の時医者に「セックス可能」のお墨付きはもらっても、実際にそうなった時の事を考えると足がすくむ。体を見せたくない。

 おっぱいはホルモン投与のおかげで、まあ普通よりは多少小さいレベルには落ち着いたのだけれど、陰毛がないのはやっぱり説明のしようがないし、いつしか私を抱くどこかの誰かは、ことに及ぶときに、果たして灯りを全て消してくれるんだろうか。彼氏と呼べる人すら居ないのに具体的な危惧ばかりが私にはあった。
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