卒業〜幸せの選択〜
教室に戻った碧のにすぐに駆け寄ってきた唯子


「ごめんね、碧。」

「怒ってねーよ。俺もちょっと悩んでたから、当たっちまって…わりぃ。」


いつもの様に碧は左の口角を引き上げて笑った。その笑顔を見て唯子も安心したように微笑む。


「ヤベーな。」


笑いながら碧がそう言った。


「え?何?」

「お前さ、究極の二者択一迫られてるよな!!二人ともかっこよすぎだろ。」


自分が悩んでた事を多少強引にだがズバっと解決してくれた二人


「だから、フられた方と付き合ってあげるって言っといた!」


悪戯が成功した子供のように碧が笑う。


「えぇっ!!?」

「いや、冗談だからな?!」

「わ…わかってるよっ!!」


碧を唯子は疑いの眼差しで見る。


「いや…だって、究極の二者択一とか言うし。碧、先輩の事かっこいいとか言うし‥‥好きでも可笑しくないかなぁ〜なんてっ!!」


そういって唯子は笑った。


「んなわけねーだろっ!!」

「だねっ!」




究極の二者択一…


この時の私はまだ考えが甘かった。

もうすぐ私は、先輩は本当に私を好きでいてくれてたんだって思い知るんだ。
< 17 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop