愛してる?...たぶん。
「あの、後でお店に行くん…」



「行こ!センセ!」



「へ?」



瞬間、突然、なんの前触れもなく立ち上がった彼女。



「えと、」



「行こ!センセ!」



「へ?…っぎゃ!?」



「姫!?」



ポカンとする回りを放置し、ニンマリと満面の笑みを浮かべた彼女は、僕の手をスルリと離し、逆に僕の手首を掴むと、急に走り出した。



「ちょっ、槇田さん!どこへ!」



「あっ、ちょっとゴメンね?通りまーす!鍵開けまーす!」



「は?…って、ちょっ、姫!?……サン、と、もえ先生!?」



「わっ、和久井!っぅぅぅぅ~~~…ゴメン!!!」



「浅野対策………えぇぇぇぇーーー!!!」



そして叫ぶ和久井に心の中で謝り続けながら彼女に手を引かれたまま渡り廊下を全力で走り、階段を駆け上がると、ある教室の前で立ちどまった。

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