愛してる?...たぶん。
ケーキ屋の前を通り過ぎた時。
テレビのグルメ番組でケーキ特集を目にした時。
ケーキという単語を目にする度、今日1日、何度も脳裏を過ったのは、毎年僕の誕生日に恵梨が作ってくれたイチゴのケーキ。
毎年スポンジの固さにムラがあって、生クリームも甘過ぎたり、そうじゃなかったり…ハッキリ言って、お菓子作りなんて向いてないんじゃないか、と思っていた。
でも不思議とそのケーキを食べるのは嫌じゃなくて、むしろ楽しみで、一年前の僕は、死ぬまでに味が安定すればいいか、なんて思ってた。
でもそのケーキを食べることは、もう一生出来なくて…。
恵梨の作るケーキとは似ても似つかない、この見た目も味も完璧すぎるケーキのイチゴが、去年と同じぐらい酸っぱくて。
「センセ?」
「………」
もう吹っ切れたと思っていたのに…ふいに鼻の奥がツンッとしてきた僕は、お皿の上にフォークを置くと、指をフォークに乗せたまま、スッと俯いた。
テレビのグルメ番組でケーキ特集を目にした時。
ケーキという単語を目にする度、今日1日、何度も脳裏を過ったのは、毎年僕の誕生日に恵梨が作ってくれたイチゴのケーキ。
毎年スポンジの固さにムラがあって、生クリームも甘過ぎたり、そうじゃなかったり…ハッキリ言って、お菓子作りなんて向いてないんじゃないか、と思っていた。
でも不思議とそのケーキを食べるのは嫌じゃなくて、むしろ楽しみで、一年前の僕は、死ぬまでに味が安定すればいいか、なんて思ってた。
でもそのケーキを食べることは、もう一生出来なくて…。
恵梨の作るケーキとは似ても似つかない、この見た目も味も完璧すぎるケーキのイチゴが、去年と同じぐらい酸っぱくて。
「センセ?」
「………」
もう吹っ切れたと思っていたのに…ふいに鼻の奥がツンッとしてきた僕は、お皿の上にフォークを置くと、指をフォークに乗せたまま、スッと俯いた。