愛してる?...たぶん。
「…槙田さ………」



「ダメだよ。センセ?」



「えっ………んっ…」



でも不意討ちは僕より彼女の方が得意。



そのサラサラの長い髪が顔にかかると同時に、落ちてきた唇。



柔らかなそれは、僕の唇を啄むように挟むと、チュッと軽いリップ音をたてて離れていった。



「………」



「センセ?」



「………」



「ねぇ、センセ?」



「………」



僕の髪をかき混ぜるように撫で、少しだけ濡れた唇をペロリと舐める彼女。



そんな彼女の腰に回す腕に力を込め、手を握りしめた僕は、ただ真っ直ぐ見つめながら、次に彼女が発する言葉を待った。

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