愛してる?...たぶん。
「ねぇ、センセ?このカクテル、“ジャック ローズ”って言うんだよ」



「そうなんです、か?」



「うん。そうなの」



僕の前に跪き、カクテルグラスの中の液体をユラユラと回す彼女。



とろみを帯びた、その名の通りのバラ色の液体はどこか蠱惑的で、今の彼女に本当にピッタリだと思った。



「カルヴァドス…リンゴのブランデーをベースにしたこのカクテル…」



「あっ…」



瞬間、少しだけ傾けられたグラス。



零れ落ちたソレは、払いきれなかった髪の毛が疎らに残る白シャツに、じわりと赤い染みを作った。



「ねぇ、センセ?」



「な…っ!」



ズイッと顔を寄せてくる彼女の唇が、一瞬だけ僕の唇に触れて離れた。

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