君との時間は・・・
けど・・・笑美もお子ちゃまなん?そこまでして、このクマがほしいんやろか・・・。


「こんなん、ホンマに信じてるん?」


「信じてるよ!恵は信じてくれないの?」


「正直、普段の俺やったら信じてへんしこんなクマ欲しいとも思わへん。」


それが俺の本心やった。こんなクマ誰かが作ってこうやって説明書きみたいなん付けて売ってるだけやん。


そのとき、笑美の顔が少し曇ったように見えた。肩も落としてもうたし。


多分、今俺が言った言葉で傷ついてもうたかな。何とかして機嫌直してもらわんと・・・。


「でも」


俺の方を向く笑美。俺、この笑美の上目攻撃には弱いみたいやな。可愛いって気持ちが収まらへんねん。


「それはあくまでも、普段の俺やったらやで?今は、普段の俺やないからな。それに俺、笑美と同じもの持ってへんやん?せやから、メッチャ嬉しい。」


これも俺の本心。俺の本心は結構曖昧なもんで。笑美が曇った顔するから、可愛い事するから、目がウルウルしてるから。


俺、笑美にメロメロやねんもん。


笑美の手からクマのキーホルダーを取ってレジへ向かおうとする俺。


「恵?いいの?」


「当り前やん。恋人通しなんやもん。幸せに恵まれたいし。まあ、今も充分幸せなんやけど。」


「じゃぁ、その幸せを二人で包み込も?」


「おう。ほな、決定な。」


笑美の顔が少しだけ赤く染まった。ホンマに恥ずかしがり屋のお嬢さんやな。


俺も・・・恥ずかしゅうなってきてもうた!こんなところで何言うてんねやろ、俺ら!


店を出て、お互いにクマのキーホルダーを手にする。


「恵、ありがと。私学校のかばんに付けるね?」


「笑美、携帯持ってへんの?」
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