君との時間は・・・

勝ち・負け

次々に競技が進められていく。みんな楽しそうに、でも一生懸命各競技をやってる。


そして、今やっている競技が済んだら・・・いよいよ俺らの出る騎馬戦や。


笑美は、ちゃんと俺のことを応援してくれるんやろうか。俺は、その期待にそえるんやろか。


俺の心ん中は、緊張と不安でいっぱいやった。そのとき、ふと笑美の方を向くとそこには春登もいた。


二人で話てるみたいやった。俺は、少しずつ二人に近づきながら耳を澄ました。


笑美が春登に向かって言った言葉。俺の心が一瞬で曇りだす。


「笑美・・・。あの約束、俺頑張るから。応援よろしくな!」


「・・・頑張って。」


って・・・春登につぶやいた笑美。俺にも同じこと言ってくれたやんな。


頑張れ、ってそんな言葉、春登にも言うんやな・・・。


せやから、俺は気づいたら笑美の名前を呼んでた。確認したかったんや・・・。


「・・・笑美?ちょっとえぇか?」


「恵!?」


「あ、恵。もうすぐ騎馬戦始まるよ?僕たちもそろそろ、並びに」


「俺はえぇから先行けや。俺は後で走って行く。」


多分、春登がそう言ったんは、笑美に俺と話させへんようにしたかったからやと思う。


けど、今はそんな言葉を受け入れてる場合とちゃうから。


「・・・そっか。了解しました。じゃぁ、笑美、よろしく。」


「あ、うん・・・。」


よろしく、か。俺の不安がますます大きくなる。


「笑美。俺、信じてえぇねんやな?」


「え?」


「さっき、あいつに応援する言うてたやん・・・。」


俺、今どんな顔してるんやろ。普通にしたいねんけど・・・できてないんやろな。
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