桜花~君が為に~

第十話

『悠輝、お前だけは生きなさい』
『やだ、待ってねぇ、父さん!!!!』

手を伸ばす
届かない

一瞬で、目の前が朱に染まった

怖い
怖い
誰か、助けて

『…みん、な』

両耳を塞ぎ
物陰に隠れる。
悲鳴が聞こえる
仲間の声

私は…
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