君に恋する本の虫
〜本の虫は恋をしていた〜
寒空の下。
頬にあたる風は冷たく、まるでずぶ濡れのまま歩いてるみたいに身体はガクガクと震える。
今私は舗装されたばかりの道を中学校に向かって歩いている途中。
受験生は冬休みだろうが学校からの呼び出しはしょっちゅう。拒否権どころかその選択肢すら皆無。
あの図書館での出来事から5日。
私は図書館どころか天国にも足を踏み入れていない・・。
足が向かない理由はわかっている。
『あいつ』がいたら・・と思うからだ。