君に恋する本の虫


「そうなの?楽しそうね。せっかくだし息抜きしてきなさい。」

すると母は私の方を向き
「千尋は?今日なんか予定あるの?」

なぜか母の声は弾んでいる。


「今日は図書館に行ってくる。」

「1人で?」


いつもならここで嫌味の一つも言うところだけど・・・

「淳・・と。」


「「!!」」

母だけじゃなく真人までこっちを向いた。私はすかさず言葉を続けた。


「言っとくけど!!明日、私予定ないから!」


母と真人は明らかな落胆のため息をついてみせる。


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