空耳此方-ソラミミコナタ-
「何を!さぁ行ってきたまへッ!」
丸い影に背中を押され、長身の方が建物の暗がりから転がり出た。
「ったく、何すんだよ!」
文句を言おうと振り返れば、やつはグーサインをだし「健闘を祈る!」とよこした。
お世辞にも華麗とは言えないサインを受け流し、彼は女の子を見つめた。
黒髪ボブに大人しそうな見た目。
礼儀正しく座る様からは清楚オーラがビンビンに出ている。
つまりは――可愛いという訳だ。