何度忘れようとしても
朝礼が始まり、事例発表をする真梨果ちゃんは生き生きとしていた。
彼女は今月もよく頑張っていて売上げの前年比は120%と好調だった。

私は気づいたら『羨ましい』と感じていた。
そしていつの間にか、真梨果ちゃんの姿を美容部員だった頃の自分と重ねて見ていた。
販売にひたすら集中していたあの頃。
今よりも楽しくやれていたかもしれない・・・

翔太だってそうだ。
女友達まで保険に入れてしまうくらいの勢いがあるくらいだし、実際彼は、仕事の話をしている時とても楽しそうだった。

私は、孝昭の事があってから確実に仕事へのやる気が落ちていた。

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