何度忘れようとしても
「私・・・明日で最後にするよ」

そんな決断なんてまだ出来ていなかった。
でも口に出さないと、自分が惨めすぎて悲しすぎてどうにもならないと思った。

「うん。日南子の運命の人は孝昭じゃないと思うよ」

「そうなんだよね、きっと」

美智留の励ましに、泣きそうになるのをこらえながら答えた。

もう何も考えられなかった。

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