ノンシュガー・ノンビター【VD中編】


しかも…それを好きなひとに直接、笑顔で言われる日が来るなんて…。

思い出すだけで泣きたい衝動に駆られた。

あの様子から嫌でも俺に興味がないことが伝わってくる。

俺が誰と仲良くしようが付き合おうがどうでもいい……そんな意味をはべらせて。

…正直これは……義理チョコよりも、かなりキツイ。


「……咲々乃ー?」

「…話しかけんなー…」

「………ささの、5時間目終わったよ」

ガタッ

「っ、早く言え!!!」


なんとも身勝手な言い方だと思いながら瀕死の身体に鞭打ち、勢いよく立ち上がった。

今日が5限までしかなくてよかった…。

あまりにもショックがでかすぎて授業中はずっと不貞寝を決め込んでいたが、今はやるべきことがある。

…あいつに聞きたいことがあるんだ。
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