ノンシュガー・ノンビター【VD中編】
でもあたしもそんな態度を取っているからきっと、咲々乃はどんどん離れていくんだろう。
確かに2年になって平坂も交えて一緒に遊ぶことは増えたけど、でも、そこにあるのは性の壁で。
なんとなく超えられないものを、咲々乃と平坂を見て感じていた。
ぷくりぷくりと浮かんでは消える泡のように、言い様のない想いが何度も膨らんではしぼむ。
これは恋じゃない、愛じゃない。
そんなんじゃない。
違うのに、周りはそういう風には取ってくれなくて。
バカみたいに冷やかして。
気にしなければいい話なのに、咲々乃の言葉で救われていたはずなのに、やっぱりどこかでそれは引っかかっていた。
受け流せないあたしが悪いんだよね、きっとそうだ。
だったら。
そう、だったなら。
こんな余計な…足枷にしかならない想いは、どこか暗くて深い場所に沈めちゃえばいい。