セノビモード


そんなことを思い出したときにはもう既に遅く、私は顔面レシーブを決めていた。


…結構勢いよく飛んできたんですけど。

地味に痛いよ、顔面は。




ぱたん、とその衝撃で床に倒れながら心の中でため息をついた。

背中に感じる体育館の床の冷たさが、頭を冷静にさせた。


…名月先生にちょっと話しかけられたからって、こんなに浮かれてちゃだめだろう。

なにやってるんだ、私。




瞼を下ろしてそんなことを考えていると、ふと周りが暗くなったのを感じた。


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