線香花火【完結】
トイレから帰ってくると空が赤色から薄い青色に変わっていた。そして海辺ではみんながすでに花火を始めていた。
俺はその場には行かず階段の段差に座って見ていた。しばらく見ていると両手に何かを抱えて走ってくる日向。
「たかー」日向が走ってくるもんだから俺はその場から立ち上がった。
「うわっ」段差に引っ掛かる日向をすぐさま支えた。
「あ、ありがとう…」恥ずかしそうに下を向いている日向。そんな姿も可愛くて。
「危ないだろ。日向はおっちょこちょいなんだからもっと気をつけろよ」そう言って腕に抱えてるものを日向から奪う。