Tolie.




なかなか口を開かない
私を不思議そうに
見ている一輝は
私の指に指を絡めてきて
“言え”とでも
言うようにぎゅっと
握ってきた。




深く息を吸って
顔を上げる。









「 リカって、誰? 」





心に隠していた
名前を声にした瞬間
握られていた手から
力が抜けた気がした。





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