Tolie.





「 ・・一輝 」




エレベーターに乗り込んで
一輝の背中に向かって声をかける。







「 一輝? 」





呼んでも、返事はなくて
私の手を掴む手の力は痛いほどに
強くて、震えていた。







「 ・・・一輝、ねぇ 」


「 ・・・ 」


「 一輝! 」






優斗さんの階について、
エレベーターが止まる。





「 ・・・・一輝ぃ 」






何で、こっち向いてくれないの?
ドアが開いたら、もう会えないような
気がして、あいた手で”閉”を押した。







< 301 / 445 >

この作品をシェア

pagetop