Tolie.







大切なことを、忘れていた。
苦痛しかない家から飛び出して
一人の私は”攫われた”だけじゃ
なくて、それと同時に”救われた”。




痛くて、辛くて、苦しくて。
けど、こんな私を助けようと
してくれる人がいて、
こんな私を守ろうとしてくれる
人がいた。






「 優斗さんの言葉が効きました。
  私、二人を探しに行きます 」


「 ・・・それで、どうするの? 」


「 言います。二人に 」


「 何を? 」




少し不安そうに顔を歪めた
優斗さんが私を見る。
そんな優斗さんに私は
精一杯の笑顔を向けて、








「 ”今”の気持ちを言います。
  言いたいことたくさんあるんです 」



「 ・・・そっか、それじゃあ
  準備しようか? 」


「 はいっ! 」







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