Tolie.
「 声、初めて聞いた 」
耳に舌を這わせながら
さっきと全く違う声が
耳元で聞こえる。
耳に感じる温もりと
時折部屋に響くリップ音が
妙な”色気”を出していた。
「 逃がしたくねー・・ 」
彼の、小さな呟きが
すごく近くで聞こえて
私は目を見開いた。
「 背中の、悪かった 」
男はそう言って
私の上から退くと
”水、置いとく”と
私が飲めるように
ベッドと同じくらいの
高さの机をすぐ横に持ってきて
その上に水とコップを置いた。