Tolie.




喉がつまって、声がでない。
痛みに目が眩んで
目の前の私に跨る人を
呆然と見ていた。






──────あのときの、あの人だ。






私の背中を殴ったときの、
あの人がいた。





最近見せなかった悪そうな顔。
彼の手が触れるたびに抵抗を
していたら





いつの間にか、全身に
痣ができていた。





「 逃がさねー 」




”最後”に、裂けるような
痛みに上へ上へと這って
逃げようとする私の腰を捕まえて
自分へと引き寄せ




「 ・・・・っ 」




小さく、喉を鳴らした。
悲鳴のような私の声は
涙とともに枯れていた。





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