憂鬱なる王子に愛を捧ぐ
「椎名さんは、何がそんなに不満なの?」
「……え」
「俺は、千秋からずっと相談を受けてたよ。椎名さんを裏切ったことはないし、ありのままの椎名さんを知りたかっただけだ」
「わ、私は、裏切られたのよ!千秋君と真知に!!真知が千秋君を好きだから」
あたしはその言葉を、反射的に遮る。
そして。
「あたしが好きなのは尚だよ!」
空間がシンと静まり返る。
一瞬、自分が何を発したのか理解できなかった。
ただその場にいた全員が、驚いた顔でこちらを見ていた。