秋のおわり


『もし僕以外の全ての人が死んでしまったとしたらさ』

隣にいる彼女に話しかける

『僕はそれにつられて死んでしまうかもしれないな』

そんなことを言ってみると、君は隣で口を膨らませながらこう言った


『それって私の方が貴方よりも先に死んじゃうってことだよね?』

僕が、『そうなるね』と言うと、


『そんなの貴方のくせに
生意気なんじゃない?』


彼女はそう言いきった


『そんなことを言われても…』
と僕は笑う


僕が彼女の機嫌を
直す言葉を考えていると、

君は、『時間だから、またね』といって
僕のいる部屋から出ようとドアを開けようとしながら


『そんな生意気なこと言ってないで私よりも長く生きて、私が死んだときにちゃんと泣きわめいてねっ』


と、軽く笑みを浮かべながら出ていった


あぁ、君は相変わらず意地悪な人だなぁ


もう一度、僕は笑う


僕の身体はもう、年を明ける前には燃えているはずなのに…


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