大人的恋愛事情
それだけ言って鞄を持ち、唖然とする二人を置いてロッカールームを後にする。
「なぁんだ、面白くない……」
「ちょっと繭さんっ、それって勿体ないですよっ!」
この前とまったく同じことを言う二人。
どこが勿体ないのよっ!
この一週間本気で疲れた気がして、溜息をつきながら正面出入り口前ではたと立ち止まる。
うん?
そう言えばスッカリ忘れてたけど、藤井祥悟が確か飲みに行こうとかなんとか……。
私は回れ右をして吹き抜けのロビーを横切り、裏出入り口から外に出た。
「意外にわかりやすいな」