大人的恋愛事情
そのためか、基本的には無難な物が多く置いてある。
大きな面積があれば、たくさんの種類を置けるけれど、小さな面積で出来るだけ売れる物を置こうとすると、必然的に無難な物ばかりになる。
その無難な物の中で、きっと唯一の特殊なマフラー。
それをあえて選ぶなんて……。
「なあ」
「なに?」
「その答えって重要か?」
そう聞いてくる藤井祥悟がしながきを手に取る。
「重要?」
よくわらないことを聞かれたと思って聞き返すと、しながきから視線を上げて私を見た。